当院のなるべく神経を残す治療

抜髄をし、無髄歯になると以下のデメリットが生じます。

このようなデメリットを招かないよう、当院ではできるだけ歯髄（歯の神経）を残す治療に取り組んでいます。具体的には、マイクロスコープや染色液を用いて、虫歯の部分を慎重に確認しながら治療を進めていきます。

また、虫歯の除去には「エキスカベーター」と呼ばれる器具を使用。エキスカベーターは手で持って直接操作するため、歯質の硬さや感触がダイレクトに手に伝わります。

健康な歯質は硬く、虫歯の部分は柔らかくなっているため、この手の感覚でしっかりと硬さを確認しながら、虫歯になっている部分だけを取り除けるのです。こうすることで、健全な歯質を削り過ぎずに治療を進められます。

このように当院では、歯の神経を守る治療に取り組んでいます。

虫歯が大きくなり痛みが出てくると、神経をとる必要性が高まります。ただ、飲食の際にしみる程度の症状であれば、とらずに済む可能性は十分にあります。

ジンジン・ズキズキとした強い痛みを伴う歯髄炎（しずいえん）まで進行している場合は、神経をとる「抜髄処置」が必要です。

また、虫歯が神経の近くまで進んだり、治療中に歯髄が露出したりといった場合でも、歯髄の状態が良ければ「覆髄（ふくずい）」と呼ばれる治療により歯髄を残せる可能性があります。

覆髄とは、虫歯を除去した部分に薬を詰め、外部からの刺激を遮断して歯髄を保護する方法です。薬の効果でバリアのような歯質「第二象牙質」の形成を促し、数か月の経過観察後にレントゲン撮影を実施。第二象牙質がしっかりと形成されていれば、抜髄せずに済みます。

ただし、経過観察の期間に痛みなどの症状が出た場合は、抜髄が必要になる可能性があります。その際は遠慮せずご相談ください。

歯の神経を守るには、早期の虫歯治療が重要です。虫歯が小さいうちに治療できれば、神経にダメージが及ぶ前に歯を修復できるからです。

虫歯や歯周病が進行すると細菌が神経まで達してしまい、神経を傷つけるリスクが高まります。神経を守るためには、より適切なお口のケアや定期的な歯科健診を継続し、虫歯予防に努めることが大切です。

定期健診は、虫歯の早期発見・早期治療につながります。ぜひ積極的に健診を受け、大切なご自身の歯を守りましょう。