「歯周外科治療」と聞くと、怖そうなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。さらにどんな治療なのか、通常の歯周病治療と何が違うのかと、疑問に思われる方も少なくないと思います。
歯周病の根本的な原因は、歯の根などに付着しているプラーク(歯垢)や歯石です。「歯周外科治療」とは、歯茎を切開してこういった歯周病の原因物質や歯周病に侵された組織を除去するものです。
「外科」と名がつく通り、手術を伴う難易度の高い治療であり、患者さんの負担が大きいのが事実。だからこそ当院では、やみくもに歯周外科治療を行うことはいたしません。本当に「歯周外科治療が必要だ」と判断した場合のみ、この処置を行います。
また、歯周外科治療を行う際は、治療前にゴールを明確に定めることを徹底。特に、食事を楽しむために重要な「噛む機能」を大切にしており、長期的な健康を見据えた計画を立てるようにしています。
さらに歯周病が重度になってしまった原因を見つけ、根本的な改善を図るのも忘れません。患者さんがしっかり噛める「健康なお口の状態」を目指した治療を行います。
当院ではお口の中から全身の健康を支えることで、患者さんが日常生活をより快適に過ごせるようになってほしいと願っているのです。
当院では事前に精密な検査を行って、歯周病の進行度とその進行の原因を徹底的に追究しています。この検査では、下記の内容を行っています。
深い歯周ポケットが存在していたり、歯の根の分岐部(股の部分)まで組織が破壊されていたりといった場合は、歯科のプロによるスケーリング・ルートプレーニング(SRP)を行うにしても限界があります。
ましてやご自身によるセルフケアで、深い歯周ポケットの中までを清潔にすることは困難です。
お口の中をご自身でもきれいなまま維持しやすくするため、そして歯周組織の形態改善を行い、さらなる歯周病の進行を防止するためにも、歯周外科治療は必要処置だと言えるでしょう。
当院では事前に十分な検査を行うことで、本当にその方に歯周外科治療が必要かどうかを、きちんと見極めています。
そして歯周外科治療が必要と判断した場合は、治療計画について丁寧にご説明しています。ご自身の歯を長く残すためにも、きちんと理解し納得された上で、歯周外科治療を受けていただきたいと考えているからです。
歯周外科治療を行うことで、重症化した歯周病でも歯を抜かずに済み、歯周病の悪化を避けられる可能性があります。
ただし、歯を抜いたほうが患者さんにとってメリットが大きいと判断した際は、抜歯をおすすめする場合もございます。
当院でなら、治療を続けてもなかなか歯周病が改善しない方や、「歯を抜くしかない」と言われた重症の方のお力になれるかもしれません。歯周病にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
奥歯の根っこは複数存在することをご存知でしょうか?実は、下の奥歯は根っこが2本、上の奥歯は3本ある場合が多いのです。
そのうちの1本が割れたり虫歯になったりした際、歯を完全に抜いてしまうのではなく、一部の根っことその上にある歯冠(歯茎から上)を部分的に抜歯する「歯根分割抜去法」という術式があります。
2本の根がある奥歯の処置は「ヘミセクション」、3本の根がある奥歯の処置は「トライセクション」と呼ばれ、この治療を行えば残りの健康な根と歯冠部分を残せます。抜いた根の部分は被せ物でカバーするため、お食事などの日常生活で不便を感じることはありません。
「ディスタルウェッジ」とは、奥歯の歯茎が炎症によって分厚くなってしまった場合などに、その部分をくさび(ウェッジ)状に切除して改善を図る方法です。
この治療を行うことで、歯茎の厚みによる歯周ポケットを減少させ、健康な歯茎の形態に回復させる効果が期待できます。
歯周外科治療はいずれも手術を伴う難易度の高い治療のため、対応できる歯科医師が限られますが、当院なら治療が可能です。諦めずにぜひ一度お問合せください。
歯ブラシや歯間ブラシがなかなか届かず、歯周病の悪化を招いていたケースもあるでしょう。そういった箇所も歯周外科治療を行うことで、セルフケアがしやすくなります。
例えばヘミセクション治療では、機能しなくなった歯の根を1本切断します。その際、根の形態やかぶせ物を工夫することで歯間ブラシが通りやすくなり、セルフケアがより行き届くようになるのです。
また、歯茎が盛り上がって掃除しにくかった部分は、歯周外科治療のディスタルウェッジを行って形を整えます。
当院では患者さん一人ひとりに、より適した歯周外科治療をご提供し、自宅でのセルフケアが簡単に続けられるようサポートをしています。ぜひお気軽にご来院ください。
歯周外科手術を経て症状の改善が見られ、歯茎の状態が安定し、ブラッシングも行えるようになってきたら、定期健診に移行していきます。
当院が定期健診を行う理由は、歯周病の再発を防ぎたいという思いからです。定期的なメインテナンスに移行することを、歯周外科治療の最終的なゴールとしているのです。
健診ではブラッシングや歯間ブラシの使用方法について、歯科衛生士がしっかり指導します。ご自宅でも効果的にセルフケア行っていただけるはずです。
治療後は、手術部位をあまり舌で触らず、刺激になるような硬い食べ物や辛いものを避けてください。熱いものもお控えください。また、歯ブラシなどのホームケアは、歯科医師から指示されたケア方法を行うようにしてください。
手術の種類や歯茎の状態によりますが、おおよそ1~2週間程度で傷が修復されます。ただし、歯茎が完全に治癒するまで数か月かかる場合もありますので、詳しくは歯科医師からの説明をお聞きください。
歯周病が進行すると、歯茎の腫れや出血、歯の揺れ、噛んだ際に痛みなどの症状が出てきます。そのまま放置すると、最終的に歯が抜け落ちたり抜歯になる可能性が高くなります。
歯周病でお悩みの方は、太白区・長町の長町駅近くにある「あすと長町歯科」で歯周外科の治療をご検討ください。より専門的なアプローチで、歯周病の改善を目指します。